橋の下
2003年8月7日シネマ・ロサにて『テトラポッド・レポート』『亀虫の兄弟』『VICUNAS』を観る。何か大切なものを置き忘れて来たんじゃないかのような不安をも忘れて映画があるそれを肯定してしまうのは阿部和重が冨永昌敬について言っているそういうことなのである。ビデオで『蝶の舌』観る。ずるいと言う言葉が喉下まで出てきて呑みこまれて安堵。クラフトワーク新アルバム『TOUR DE FRANCE SOUNDTRACKS』は17年の時を越えてなお『COMPUTER WORLD』の次の作品という車道をはみだしてはいないのである。テクノ・キッズ、1994年からだって多くの水が流れたことだよ、橋の下をね。
道行き
2003年8月6日とぼとぼと道行き三鷹芸術文化センター星のホールでKERA・MAP#2『青十字』観る。コロっと人が殺されて、でも面白くは無かったな。またとぼとぼと道行き三鷹駅まで。ビデオで『ギャラクシー・クエスト』観る。『クライム&ダイヤモンド』観る。ティム・アレンの面白さは高田純二と同質同水準じゃないかしら。開高健『衣食足りて文学は忘れられた?』(中公文庫)を読む。谷沢永一『大人の国語』(PHP研究所)を読む。栄養剤としての読書を俺は切願した。
●60年代「通キドリ」銀盤紹介?
THE KLUBS『MIDNIGHT LOVE CYCLE』(Wooden Hill)
ミッドナイト・ラブ・サイケデリコの絢爛たる闇。闇で名盤ってことです。以上です。
●60年代「通キドリ」銀盤紹介?
THE KLUBS『MIDNIGHT LOVE CYCLE』(Wooden Hill)
ミッドナイト・ラブ・サイケデリコの絢爛たる闇。闇で名盤ってことです。以上です。
メイ・アイ・ハヴ?
2003年8月5日下北沢駅前劇場で毛皮族の『夢中にさせて』観る、実録!!ヌッポンオエロケ犯罪歌劇。うたかたのエログロナンセンス、音楽のように紡がれる犯罪史、逆に圧倒的な歌唱はまさぐられる固形となって俺の鼻先に突き出されて。俺いわゆるかぶりつき席に座ってたもんだから、ステージに上げられてチークダンス踊らされて、一瞬泡となり顕在化されてすぐ消えるような、そのような芝居を体験して、毛皮族の芝居は観る度に最高だと言い続けて久しいのだけれど、これはもう最高の上に最高でありまして、そんなものもうこれ以上はありないのだ。俺のおととい始まったばかりの2003年は今日で終わったようなもの。
日々のなぐさみに大津栄一郎『コミュニケーションのための英会話作法』(岩波アクティブ新書)スティーブ・ソレーシー『国際人の英会話学習法』(角川ONEテーマ21)尾崎哲夫『英語「超基本」を一日30分!』(角川ONEテーマ21)佐々木伸右『アメリカ英語再入門』(丸善ライブラリー)北川達夫『知的英語の習得術』(学研)村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話』(文春新書)読む。面白いもつまらないもありゃせんで、ただの泡。
日々のなぐさみに大津栄一郎『コミュニケーションのための英会話作法』(岩波アクティブ新書)スティーブ・ソレーシー『国際人の英会話学習法』(角川ONEテーマ21)尾崎哲夫『英語「超基本」を一日30分!』(角川ONEテーマ21)佐々木伸右『アメリカ英語再入門』(丸善ライブラリー)北川達夫『知的英語の習得術』(学研)村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話』(文春新書)読む。面白いもつまらないもありゃせんで、ただの泡。
発光体
2003年8月3日『SUMMER SONIC 2003』2日目。polyphonicspreerooneyasiankungfugenerationrapturemandodiaogoodchalottestereophonicsそしてstrokesdoorsradioheadの順番で観る。俺は8月も3日にして初めて2003年の実感を得た感じ。あれもこれも良かったなあ、で最後、発光する千葉マリン。プリズメン。
センター方向へ
2003年8月2日『SUMMER SONIC 2003』1日目。tokyoskaparadiseorchestrahighlowskillsstarsailorblink182jonspencerbluesexplosiontravisdevoblurの順番で観る。人工芝に弾みつつ一塁線を転がり、ドライブかかってライトからセンター方向へ最前列まで持ってかれたジョンスぺで体が浮いた。胃の中のものまで出そうだった。やっぱり大人。ブラー。とろん。花火。
レモネード
2003年7月26日東郷青児美術館『ルノー・コレクション フランス現代美術館』に行く。視覚的イリュージョンの世界。工学的そして及びもつかない配色センス。となれば粋ということになるんだな。東浩紀・大澤真幸『自由を考える』(NHKブックス)を読む。「同時多発テロから2ヶ月後のアメリカン航空機墜落は実はアメリカ空軍のヘリコプタが撃ち落したのだ」と言い張る大澤氏に対し、「ヘリコプタがジェット機を追跡できるわけない」と東氏が陰謀説をつっぱねる。一触即発。といったようなことは全然書いていないのだけれども、面白い本だった。ビデオで『アパートの鍵貸します』観る。甘酸っぱさ清潔さその後味といったらレモネード。ジャック。『秘密と嘘』『オール・アバウト・マイ・マザー』観る。この2作似たようなテーマにしてその美しさはまた対極に位置し、俺はやはり後者が素直に好き。
びよんびよん
2003年7月25日「只今、全ての駅で電車が止まっている状態です、が!、只今、順次電車が動き出したというような情報が入りましたので、発車いたします、が!、もう少々お待ちください、が!、……」
遅れに遅れた朝の中央総武線、目まぐるしくインプロヴィゼーションめいたアナウンス、に、声を上げて笑った女がいた。
天下の、僕らの台所西荻窪はWATTSでドン松尾の『FUTURE JAM』、長い長い噴出するようなジャムセッション、その間松尾氏はマラカスに始まり、歌い、ギターを弾き、シーケンサーいじり、手振り顔振りで指示を出し、動き周り、のち、ドラムの横に立って、自分も叩き出し、雷鳴のようなダブルドラムが轟き渡る、その瞬間から、WATTSの床壁天井はゴム状になり、びよんびよん、フジロック効果で涙ものの客入りのフロアで、俺は何度も弾き返されたような錯覚を得た。
ビデオで『チョコレート』観る。色々あって、最後に星空眺める。俺こんな映画好き。
遅れに遅れた朝の中央総武線、目まぐるしくインプロヴィゼーションめいたアナウンス、に、声を上げて笑った女がいた。
天下の、僕らの台所西荻窪はWATTSでドン松尾の『FUTURE JAM』、長い長い噴出するようなジャムセッション、その間松尾氏はマラカスに始まり、歌い、ギターを弾き、シーケンサーいじり、手振り顔振りで指示を出し、動き周り、のち、ドラムの横に立って、自分も叩き出し、雷鳴のようなダブルドラムが轟き渡る、その瞬間から、WATTSの床壁天井はゴム状になり、びよんびよん、フジロック効果で涙ものの客入りのフロアで、俺は何度も弾き返されたような錯覚を得た。
ビデオで『チョコレート』観る。色々あって、最後に星空眺める。俺こんな映画好き。
浅
2003年7月24日東京都写真美術館でミック・ロック写真展『ROCK’N’ROLL EYE』。いかに我々はロックの世界をミック・ロックでフィルタリングして観ているのか、観れば至極当たり前のかっこよさ。同時開催『GLOBAL MEDIA 2003』は楽しい。中居伊織の音風景とか、2時間くらいすぐに過ぎてしまいました。
短
2003年7月23日『ホテル・ハイビスカス』を観た。かなり良かった。女の子が口一杯に卵焼きかなんか頬張る場面で泣けた。素晴らしかった。保坂和志『この人の閾』(新潮文庫)を読む。面白くないって言えば、そうかもしれないけど。スリルス『So Much For The City』はこんな天気だから、とても名盤。
誰もいない
2003年7月22日都の西北ビジュアルアーツギャラリーで森山大道写真展『’71 NEW YORK』を観る。がらんとしてて誰もいないギャラリーに入った時、ルー・リードの「Andy’s Chest」が流れていた。それがまず良かったし、写真も新しくて良かった。森山のニューヨーク、コンクリート・ジャングルが髣髴として甦る思い。粗い白黒の少し白がまさった感じ、それが乾いた光と埃っぽさの情感を出す。ついでだからルー・リードを引き合いに出せば『LIVE』のジャケ写真に似た感じ、家に帰ってジャケ見たら全然似てない。トビアス・シュミット『HOORAY FOR EVERYTHING』はミニマルエレクトロ結構あたり目スルメ盤。TGカバーだけじゃなくまったり聴きたい。カート・ヴォネガット・ジュニア『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』(ハヤカワ文庫)を読む。厳かに読む。
けぶって
2003年7月21日雨にけぶる皇居お膝元の東京国立近代美術館『地平線の夢 昭和10年代の幻想絵画』に行った。シュルレアリスムとは精緻をもって幻惑せしめるものと愚考しておりまして、しかるに日本のシュルレアリスムのその感覚の先行には、いささか筆の方が追いついていないきらいもあるのであります、が、曖昧なる日本人の俺だから、大陸に渡って描かれた福沢一郎の風景と人間が混濁したような絵にこそ、誘いこまれる異世界を感じて、そもシュルレアリスムとは何の謂いぞ、と問われて、まさかそれに回答できるわけでもない俺ですから。山口瞳『男性自身 暗がりの煙草』(新潮文庫)読む。爽年の確かさ。ビデオで『失われた休日』観る。すごくいい。
毎日を夏休みとする
2003年7月20日The Soundsの『Living in America』はジャケがジ・アノモアノンみたいだけど、軽。最近、鬱々として楽しまず。というのも度重ねた欠勤と遅刻により、新入社員の俺はもう有給がほとんど残ってないということが判明したからで。ティルマンズの写真集『for when I’m weak I’m strong』買った。高かった。小松左京『さよならジュピター』(上・下 ケイブンシャ文庫)読む。四文字でまとめれば、荒唐無稽。好き。こないだ大学の時の先生と飲んだときも、だから俺ずっとなんか楽しくなくて。ぼやっとしてて。「あなたには、やすきよの血が流れてる」って言われても、「え?」って感じだったんだけど。かせきさいだあの『VERY BEST OF かせきさいだあ』聴き、狭い校庭でフリスビー放り投げていた蛮勇時代を思い出す。岡崎京子『ヘルタースケルター』(祥伝社)を読めば釈由美違います!ビデオで『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』観てもちっとも面白くなく、『メメント』観ても5分後には忘れて、『メグレ赤い灯を見る』なんとなく面白かった。会社では夏休みを何日とるかの話。夏休みって有給なんだ、わかっちゃいたけど、声に出さずにいられない。俺、有給無い。同僚爆笑。やすきよの血?ポスタル・サービス『GIVE UP』、エレクトリック・フォークって歌詞の無いもののことだと思ってた、胡蝶の夢、青。松尾スズキ『同姓同名小説』(ロッキング・オン)読む。仰げば尊い最高峰。URCカバー『Discover URC』、にちゃにちゃとまたぞろふらかんみかみかんをうたい。今となれば、あの時先生は「あなたは、易きに流れてる」って言ったんじゃないか、とも思われ、よく考えれば、そう言っていたに違いなく俺は易きに流れてるってことはまぎれもなく事実であり、そうであるならば、失礼な、ようし見てろよ先生よ、俺はこれから毎日が夏休みとするから、どこまで流れるか、それは知らないのだけれど、沈んだかと思えば、プカと頭を出し、口から潮を吹き、陽気にハイジャンプ、と、鮫に食われ、バイ・バイ・ジュピター、俺、そんなにも涙ぐましい努力をもってこれから毎日を夏休みとしなければならない。やだよ。
無駄な生活
2003年7月16日根本敬『学ぶ』(テレグラフファクトリー)を読む。いい話がいっぱい載ってた。ビデオで『マルタの鷹』を観る。最近、けっこう暇。ぴあSPA文春レココレを購入。頭が働いてない、読んでもすぐ忘れる。
遅刻者ども
2003年7月14日俺が遅刻するのにも理由があって、朝寝坊だから・会社嫌いだから・電車の下をザリガニが走ってるから、とあらかじめ俺は遅刻する世界に生まれついたものであると思えるふしもあるけれども、それでも俺と同じように毎朝遅刻しそうになって電車から降りると猛スピードで駆け出す人間も多く、しかし俺には彼らと朝の路上で競争する気にはなれない、というのが毎日の遅刻の大きな原因となっていることは否めないのである。何故か。何故俺は彼らとは競えないのか。
今朝もそうだった。ギリギリ定時に間に合う電車に乗って、会社のある駅に着き、さあ急ごうかとドアが開いた瞬間、俺の隣をかすめて改札を目指す男の、同僚の顔を見てしまったのである。腿を高くあげ、手を直角に振り、走るその同僚の顔は、平気な風を装い涼しげだった。ああ、なんてざまだ。老婆ならぶつかって突き飛ばされればそれまでの命、というような物凄い走り方をしているくせに、真一文字の口をぴくつかせながらも、すました顔をしているなんて。こんな奴と並んで走るような恥ずかしい真似は俺には出来ないのである。かといって、眉毛を八の字に、泣顔しながら走る奴とも一緒にはなれない。何が悲しくてあんな丁稚奉公みたいな者と。また、鬼の形相をして爆走する人間。近くに寄れば皆殺しの雰囲気を醸し出している。危ない。そして、上着を脱いでワイシャツにしぼれるぐらいの汗を濡れ滴らせながら、走る男。遅刻はスポーツじゃないんだ。
俺にとって好ましい遅刻者とは、笑いながら走る者である。何が何だかたまらないって顔して走る者である。走る、ということにもっと羞恥を感じるべきなのである。笑ってごまかすしかないという顔して走るのならば、俺もしたり顔で黙認し、そして相好を崩して共に会社に駆けこもうではないか。
と考えているうちにも、俺の足は自然と早足になり、結局泣き笑いの顔で会社に飛び込む。遅刻。
ここ最近、アイザック・アシモフ『鋼鉄都市』(ハヤカワ文庫)永江朗『不良のための読書術』(ちくま文庫)澁澤龍彦『東西不思議物語』(河出文庫)を読む。ビデオで『ブラッド・シンプル』観る。面白くもつまらなくもない毎日。スティーリー・ダンの新譜『everything must go』を聴いて、ポップじゃなきゃもっと名盤。
今朝もそうだった。ギリギリ定時に間に合う電車に乗って、会社のある駅に着き、さあ急ごうかとドアが開いた瞬間、俺の隣をかすめて改札を目指す男の、同僚の顔を見てしまったのである。腿を高くあげ、手を直角に振り、走るその同僚の顔は、平気な風を装い涼しげだった。ああ、なんてざまだ。老婆ならぶつかって突き飛ばされればそれまでの命、というような物凄い走り方をしているくせに、真一文字の口をぴくつかせながらも、すました顔をしているなんて。こんな奴と並んで走るような恥ずかしい真似は俺には出来ないのである。かといって、眉毛を八の字に、泣顔しながら走る奴とも一緒にはなれない。何が悲しくてあんな丁稚奉公みたいな者と。また、鬼の形相をして爆走する人間。近くに寄れば皆殺しの雰囲気を醸し出している。危ない。そして、上着を脱いでワイシャツにしぼれるぐらいの汗を濡れ滴らせながら、走る男。遅刻はスポーツじゃないんだ。
俺にとって好ましい遅刻者とは、笑いながら走る者である。何が何だかたまらないって顔して走る者である。走る、ということにもっと羞恥を感じるべきなのである。笑ってごまかすしかないという顔して走るのならば、俺もしたり顔で黙認し、そして相好を崩して共に会社に駆けこもうではないか。
と考えているうちにも、俺の足は自然と早足になり、結局泣き笑いの顔で会社に飛び込む。遅刻。
ここ最近、アイザック・アシモフ『鋼鉄都市』(ハヤカワ文庫)永江朗『不良のための読書術』(ちくま文庫)澁澤龍彦『東西不思議物語』(河出文庫)を読む。ビデオで『ブラッド・シンプル』観る。面白くもつまらなくもない毎日。スティーリー・ダンの新譜『everything must go』を聴いて、ポップじゃなきゃもっと名盤。
グラビア研究事始
2003年7月11日DJシャドウのBBCライヴ『diminishing returns』を聴いて、アガサ・クリスティ『オリエント急行殺人事件』(講談社文庫)読んで、アイザック・アシモフ『暗黒青雲のかなたに』(創元推理文庫)読んで、ビデオで『デリカテッセン』観て、『ボーン・アイデンティティ』観て、今週は一日も会社休まなかったよ。
グラビア研究をしようかな、と急に思いまして、『urecco gal』2月号8月号『urecco』4月号6月号を購入。『urecco gal』8月号62ページで、俺はいきなりわかった。
「開帳系」グラビアの隆盛について、俺はただ、男は女の「あそこ」が見たく、現代人が「動物的」になっているからだと、断定的に思っていた。しかしそれにしては、グラビアで「あそこ」は余りに「不可視的」なるものであるし、それを「動物的」にフィードバックしようという試みは不毛と言わざるをえないし、俺には東浩紀の言ってる意味がよくわかんないし、「動物的」って書いてみたかっただけだしで、なんだか圧倒的に俺の認識は間違っている気もしていたのである。
『urecco gal』8月号62ページはTバックをはき、女が開帳して鏡の上に座っている写真である。その鏡には、これまでには成し得なかった角度での股間が映っていた。より、後ろに。「あそこ」を越えて。光明が差した思いがした。開帳系は「あそこ」を目指していたのではなく、肛門にゆきつくのではないか。我々はあそこではなく、肛門がみたかったのではないか。そうに違いない。アナルがみたい。
俺がいきなりわかったというのは、そのことである。
グラビア研究をしようかな、と急に思いまして、『urecco gal』2月号8月号『urecco』4月号6月号を購入。『urecco gal』8月号62ページで、俺はいきなりわかった。
「開帳系」グラビアの隆盛について、俺はただ、男は女の「あそこ」が見たく、現代人が「動物的」になっているからだと、断定的に思っていた。しかしそれにしては、グラビアで「あそこ」は余りに「不可視的」なるものであるし、それを「動物的」にフィードバックしようという試みは不毛と言わざるをえないし、俺には東浩紀の言ってる意味がよくわかんないし、「動物的」って書いてみたかっただけだしで、なんだか圧倒的に俺の認識は間違っている気もしていたのである。
『urecco gal』8月号62ページはTバックをはき、女が開帳して鏡の上に座っている写真である。その鏡には、これまでには成し得なかった角度での股間が映っていた。より、後ろに。「あそこ」を越えて。光明が差した思いがした。開帳系は「あそこ」を目指していたのではなく、肛門にゆきつくのではないか。我々はあそこではなく、肛門がみたかったのではないか。そうに違いない。アナルがみたい。
俺がいきなりわかったというのは、そのことである。
トンガリが2人
2003年7月7日急げ。急げ。走った。雨にも触れず走った。もっと急げ。もっと急げ。小石を自分の頭に投げて、屋根伝いにテレポーテーションした。それでももっともっと早く。俺は飛んだ。マントをはためかせ空を飛んだ。後ろには、猿、歌手、大阪人、合体して飛んだ。もっともっともっと。後ろに、トンガリ、出来杉、ミスターX、ミノタウルスの皿、トンガリ。トンガリが2人!トンガリが2人!トンガリが2人!
遅刻した。3日さぼって久しぶりの出社が遅刻。覚悟しておそるおそる部屋の中に入っていくと、どっと笑いが起こった。「どこでサボってたんだヨー」と部長に言われて、恐縮した俺は心で感謝し心で泣いた。「寝たり起きたりでしたよ」
ビデオで『椿三十郎』観た。血湧き肉踊り腹抱えて倒れて絶句。
●60年代「通キドリ」銀盤紹介?
STATUS QUO『PICTURESQUE MATCHSTICKABLE MESSAGES FROM THE STATUS QUO』(CASTLE)
デラックス・エディションが出てたもので。俺、別に通きどってないんですけど。以上です。
遅刻した。3日さぼって久しぶりの出社が遅刻。覚悟しておそるおそる部屋の中に入っていくと、どっと笑いが起こった。「どこでサボってたんだヨー」と部長に言われて、恐縮した俺は心で感謝し心で泣いた。「寝たり起きたりでしたよ」
ビデオで『椿三十郎』観た。血湧き肉踊り腹抱えて倒れて絶句。
●60年代「通キドリ」銀盤紹介?
STATUS QUO『PICTURESQUE MATCHSTICKABLE MESSAGES FROM THE STATUS QUO』(CASTLE)
デラックス・エディションが出てたもので。俺、別に通きどってないんですけど。以上です。
小市民の休日
2003年7月6日でぃすく・ゆにおんにCDを売りに行き、たわー・れこーどでCDを買う。金離れの良い俺。プライマル・スクリーム『ライヴ・イン・ジャパン』 炸裂するほど音が前にはこないんだけど、「アクセラレーター」に始まり、ジョニー・サンダースに終わり、狂乱の感じは十分に伝わってきます。いいですね。余った金で、酒を飲んで、呑み尽くした。金も使い尽くした。哀れ、ルー・リードの名盤たち。俺のメタル・マシーン・ストマックよ。
休日は本を読みながら。S・モーム『手紙』(角川文庫)を読む。庄野潤三『プールサイド小景・静物』(新潮文庫)を読む。なわとび、ね。参った。零れ落ちる、日常の、物、人、言葉、その音に、はっとする、小市民、とは俺のこと。
休日は本を読みながら。S・モーム『手紙』(角川文庫)を読む。庄野潤三『プールサイド小景・静物』(新潮文庫)を読む。なわとび、ね。参った。零れ落ちる、日常の、物、人、言葉、その音に、はっとする、小市民、とは俺のこと。
休日日記
2003年7月5日気疲れの多かった俺にこそ、休日を。と言っても昨日までと変わりなく、外をぶらつき、喫茶店に入る。アイスココア一杯に泰然とあぐらをかいて、織田作之助『青春の逆説』(旺文社文庫)を読みきったのは、余裕がある証拠や。それにしても、冒頭3ページでやられます。逆説的ってこういうことなんだろうなあ。芸もなくいつものアイスココアを頼んでいる自分が恥ずかしい。DVDで『マジェスティック』観る。俺はとてもいい映画だと思うんだけど。
●60年代「通キドリ」銀盤紹介?
MOBYLETTES『GIRL TALK』(ELBTONAL)
モビレッツのこのアルバムは’95年のものなんだけど、音が非常に60年代なもんで。これが本当に60年代のアルバムだったらすごいなあ、と。以上です。あほくさ。
●60年代「通キドリ」銀盤紹介?
MOBYLETTES『GIRL TALK』(ELBTONAL)
モビレッツのこのアルバムは’95年のものなんだけど、音が非常に60年代なもんで。これが本当に60年代のアルバムだったらすごいなあ、と。以上です。あほくさ。
続・欠勤日記
2003年7月4日ささやかな痺れどころじゃない。朝、目覚めの一服と、ライターで煙草に火をつけようとすると、あやまって自分の指を燃やしてしまった。人差し指から火が出ているのを見て、最初はウワッと驚いただけだったけど、ちょっとしたら指の腹の部分が白く膨らんできて、まるでその部分がナイフでそがれてしまったかのような激烈な痛み。さらに表面の痒さもどれだけ痛みがエスカレートしようとも逡巡しながらとどまっているといった感じで、俺は発狂せんばかりの苦しみを味わう。会社になんか行けない。今日も欠勤する、と電話した。
少し寝たら、嘘みたいに痛みが消えた。
なんということだろう。新入社員の分際で会社を3日もサボってしまった。俺はデカダンスなんだ。青春とは悩み苦しむことだというのなら、今が青春なのだ、青春真っ最中なんだと、俺はもろ手をあげて駆け出したい思いに駆られる。が、実際は自分の年齢を考えて、早歩きで街をぶらつく。
そんな最中にもパンチラを見た。純白だった。
夕刻、しょぼしょぼと家に帰る。阿部和重『アメリカの夜』(講談社文庫)を読む。ビデオで『インソムニア』と『シェルブールの雨傘』観る。
それならば、俺も勤勉なサラリーマンというものを模倣したろやないの。それが今や幻想というのならば、俺が最後のサラリーマンとなればいいじゃない。俺は平成のドン・キホーテだ。会社のビルを巨大な風車にみたてて、ぶつかってやるから、みてなよ。それで、お前らにもドン・キホーテの歌うたわすから、覚えとけよ。明日も明後日も休日だとしても、俺には24時間休みは無いってこと。そうなんだ。やめたやめた。眠いから。キツイから。あほくさいから。
少し寝たら、嘘みたいに痛みが消えた。
なんということだろう。新入社員の分際で会社を3日もサボってしまった。俺はデカダンスなんだ。青春とは悩み苦しむことだというのなら、今が青春なのだ、青春真っ最中なんだと、俺はもろ手をあげて駆け出したい思いに駆られる。が、実際は自分の年齢を考えて、早歩きで街をぶらつく。
そんな最中にもパンチラを見た。純白だった。
夕刻、しょぼしょぼと家に帰る。阿部和重『アメリカの夜』(講談社文庫)を読む。ビデオで『インソムニア』と『シェルブールの雨傘』観る。
それならば、俺も勤勉なサラリーマンというものを模倣したろやないの。それが今や幻想というのならば、俺が最後のサラリーマンとなればいいじゃない。俺は平成のドン・キホーテだ。会社のビルを巨大な風車にみたてて、ぶつかってやるから、みてなよ。それで、お前らにもドン・キホーテの歌うたわすから、覚えとけよ。明日も明後日も休日だとしても、俺には24時間休みは無いってこと。そうなんだ。やめたやめた。眠いから。キツイから。あほくさいから。
無断欠勤日記
2003年7月3日無断欠勤を続けた。朝目覚めると身体中にささやかな痺れを感じ、それだけで会社を休んだ。二日目の今日もそうだった。目覚めると、ささやかな痺れ。そのまま、また睡眠に入る。
こんな夢をみた。
目が覚めると、俺の部屋が会社になっていた。会社とはいえ俺の部屋であることは間違いなく、上司などが入ってこれないよう戸締りを厳重に行ったりしていると、既に部屋の中にはチンピラのような若者が数人いるということが悟られた。脅えながらも、なんとなく御しやすい感じの顔立ちをしているように見えたため、とりあえず外に連れだし、食事などをして遊んでから、突然一人で逃げ出し、またアパートに帰って鍵を掛けると、部屋の中には黒い影が二つ動いていた。
こんな夢をみた。
俺は合コンの席にいた。4対4でかなり盛りあがって、勢いで隣の女の子の胸をついたりして、こういう場も久しぶりだが、いいなあと思った。その後、何故か会社に行った。会社ではみんな帰り支度をしていた。男3人女3人の同僚が連れ立って席を立っていったので、「これから合コンですか?」と後ろから声をかけると、振り返った女性は女装した男だった。
本当に起きた。夕方頃。会社から携帯に着信があり、留守電もあった。部長からだった。「体調が悪いと聞いてる。(誰が言ったんだろう)心配しているから、連絡くれ。」 文字にすると愛情のこもっているような感じだが、その声にはプリティ長嶋に似た顔同様に持っているいつもの愛嬌はなく、非常に事務的で、不安感に何も手につかなくなった俺は、屈した思いをした。でも、電話はいれられなかった。俺は申しわけないことをした。そして、更にそれを重ねている。俺は、駄目だ。またささやかな痺れを感じ、ベットに倒れこむ。『マイ・プライベート・アイダホ』のリヴァ−・フェニックスのようだな俺は、という感じで。
寝れるわけがない。屈託した思いを抱えて、外を歩いて、本を買って喫茶店に入って読んだ。森達也の『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫)。時折、文章から俺の絶望的な未来が暗喩されていると感じたりして胸を詰まらせたが、途中からはのめり込んで一気呵成に読み上げた。面白かった。そのおかげでここ数時間は気分が楽になっている、と言ってもいい。明日からは、俺は人の4倍働くぞ。本の内容には関係ないが、そういう気持ちにもなるってもんで、グレムリン斎藤さまに感謝すべきだ。ありがとうございました。
こんな夢をみた。
目が覚めると、俺の部屋が会社になっていた。会社とはいえ俺の部屋であることは間違いなく、上司などが入ってこれないよう戸締りを厳重に行ったりしていると、既に部屋の中にはチンピラのような若者が数人いるということが悟られた。脅えながらも、なんとなく御しやすい感じの顔立ちをしているように見えたため、とりあえず外に連れだし、食事などをして遊んでから、突然一人で逃げ出し、またアパートに帰って鍵を掛けると、部屋の中には黒い影が二つ動いていた。
こんな夢をみた。
俺は合コンの席にいた。4対4でかなり盛りあがって、勢いで隣の女の子の胸をついたりして、こういう場も久しぶりだが、いいなあと思った。その後、何故か会社に行った。会社ではみんな帰り支度をしていた。男3人女3人の同僚が連れ立って席を立っていったので、「これから合コンですか?」と後ろから声をかけると、振り返った女性は女装した男だった。
本当に起きた。夕方頃。会社から携帯に着信があり、留守電もあった。部長からだった。「体調が悪いと聞いてる。(誰が言ったんだろう)心配しているから、連絡くれ。」 文字にすると愛情のこもっているような感じだが、その声にはプリティ長嶋に似た顔同様に持っているいつもの愛嬌はなく、非常に事務的で、不安感に何も手につかなくなった俺は、屈した思いをした。でも、電話はいれられなかった。俺は申しわけないことをした。そして、更にそれを重ねている。俺は、駄目だ。またささやかな痺れを感じ、ベットに倒れこむ。『マイ・プライベート・アイダホ』のリヴァ−・フェニックスのようだな俺は、という感じで。
寝れるわけがない。屈託した思いを抱えて、外を歩いて、本を買って喫茶店に入って読んだ。森達也の『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫)。時折、文章から俺の絶望的な未来が暗喩されていると感じたりして胸を詰まらせたが、途中からはのめり込んで一気呵成に読み上げた。面白かった。そのおかげでここ数時間は気分が楽になっている、と言ってもいい。明日からは、俺は人の4倍働くぞ。本の内容には関係ないが、そういう気持ちにもなるってもんで、グレムリン斎藤さまに感謝すべきだ。ありがとうございました。