けぶって
2003年7月21日雨にけぶる皇居お膝元の東京国立近代美術館『地平線の夢 昭和10年代の幻想絵画』に行った。シュルレアリスムとは精緻をもって幻惑せしめるものと愚考しておりまして、しかるに日本のシュルレアリスムのその感覚の先行には、いささか筆の方が追いついていないきらいもあるのであります、が、曖昧なる日本人の俺だから、大陸に渡って描かれた福沢一郎の風景と人間が混濁したような絵にこそ、誘いこまれる異世界を感じて、そもシュルレアリスムとは何の謂いぞ、と問われて、まさかそれに回答できるわけでもない俺ですから。山口瞳『男性自身 暗がりの煙草』(新潮文庫)読む。爽年の確かさ。ビデオで『失われた休日』観る。すごくいい。
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