食べ物を恵まれる日
2003年6月27日食欲もなく、昼食はマクドナルドでハンバーガー2個とつつましく、漫画読みながら食事の時間をやり過ごしていると、隣に座ったお婆さんがこっちを向いてにこにこしている。ひょっとしたら俺じゃなく漫画を覗いて笑っているのかな、と思ったけれども、このとき読んでいた漫画は阿部慎一の『僕はサラ金の星です!』(青林工藝舎)である。それじゃ、やっぱり、俺のこと見ているのだと悟られて、変なお婆さんの方を向くと、「ポテトあげます」と言う。「若い人はもっと食べなきゃ」と。据え膳食わぬは何とやら、ババアの前で男を上げても仕方ないけれども、快くポテトを頂くことにして、こんなもん手で食べたら漫画が汚れちまった。夕方会社に戻ると、上司の土産のせんべい(巨大)余ったから食べていけ、と言われる。俺早く帰りたかったけど、上司も何か話し相手欲しそうだったし、一枚せんべいを食べながら聞いて、それで帰ろうとすると、全部食べろ、と。目の前のせんべいの山にくらくらし、早く帰りたいしで、俺、もうせんべいくわえながら、会社から逃げるように飛び出した、ぽろぽろせんべいこぼしながら歩く男。こんな風景、町田康の小説に出てきた気がして、けものがれ俺らの猿と、か、猿にエサを与えないでください。ん、猿? なんやと!
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